泡瀬ブルパーズ

日本ハム・糸数がプロ初完封　打線も１５安打で援護

２０１１／０８／１７（水）１８：１５プレーボール
vs 千葉ロッテマリーンズ～ＱＢＣマリンスタジアム～
第１４回戦（対ロッテ戦　４勝８敗１分）
観衆２２，１７８人
試合時間２時間４９分

９－０　北海道日本ハムファイターズ勝利

糸数敬作先輩の成績
９回　打者３４　投球数１１７　安打４　三振５　四球１

４試合登板　２勝０敗０セーブ　防御率３．９１


プロ初完封の糸数はウイニングボールを手に笑顔

～スポニチより～
糸数　嫁が来るから駄目かも…ジンクスはね返しプロ初完封
シャワーを浴びて着替えた日本ハム・糸数が、駐車場に向かおうとしたところで慌てて引き返してきた。「あっ、やべえー」。４安打無失点。プロ５年目で初完封勝利に舞い上がったわけではないだろうが、ヒーローインタビューで「家族にすぐに見せたい」と声を弾ませたウイニングボールをロッカーに忘れてしまったのだ。
無事に「お宝」を手に取り戻すと、スタンドで観戦していた明希乃（あきの）夫人（２６）と長女・華衣愛（けいら）ちゃん（２）、次女・莉衣愛（りいら）ちゃん（６カ月）と合流。ボールを手渡すと満面の笑みがはじけた。「いつも家族が来ると大量失点で、嫁からも“来ない方がいい？”と聞かれた。関係ないよと言ったけど、嫁が来るから駄目かも…と思っていた自分もいた。勝てて良かった」。沖縄出身の２６歳はどこまでも素直だ。
立ち上がりから緩急術がさえた。千葉特有の風を利用した曲がりの大きいカーブを駆使。普段はカウントを整えるために使う、その球を勝負球としても使ってロッテ打線を封じた。０９年にサイドスローに転向して４勝。巨人との日本シリーズ第３戦先発にも抜てきされた右腕だが、考えすぎて悪循環に陥る悪癖があった。吉井投手コーチは「気合を入れるために沖縄の言葉で呪文をかけた」。効果は絶大で「投球回の合間にいつも“打者と勝負だぞ。ジーマミー、ジーマミー”って言われ、思わず笑ってしまった」と糸数。ジーマミーとは沖縄でピーナツ豆腐を指す。深い意味はないが、これでリラックスできた。
完封勝利は今季チームでダルビッシュに次ぐ２人目。気持ちを強く持てれば、力量は十分ある。第６の先発として糸数がひと皮むけた。
☆糸数　敬作（いとかず・けいさく）１９８４年（昭５９）１１月７日、沖縄県生まれの２６歳。中部商、亜大を経て０６年大学・社会人ドラフト３巡目で日本ハムに入団。３年目の０９年５月１７日のオリックス戦でプロ初登板。同年６月３０日の楽天戦で、６回２安打１失点でプロ初勝利。同年に４勝、昨季は２勝を挙げた。０８年１月１日に結婚。１メートル８０、８６キロ。右投げ右打ち。


～デイリースポーツより～
日本ハム打線が爆発。ロッテ投手陣に15安打を浴びせ９点を奪い大勝した。
二回、今浪の適時左前打で１点先制。六回には今浪の適時打など打者一巡の猛攻で、一挙６点を奪い突き放した。七回にも２点を追加し、ダメを押した。
先発の糸数はロッテ打線を散発４安打に抑え、プロ入り初完封勝利で今季２勝目。糸数は「五回からバテバテで長いイニングを投げられると思っていなかった。嫁さんと娘が見に来ている前で勝ったのは初めてなんで、すぐにウイニングボール渡します」と夏休みの家族への最高のプレゼントをした。


～サンケイスポーツより～
日本ハム・糸数、初完封！第５の男に名乗り
真夏にプロ初完封勝利を挙げた糸数。佑ちゃんとの競争も激化だ
勝利の瞬間まで表情を変えなかった。九回二死、１０９キロカーブで的場を三振締め。好リードの鶴岡からミットで頭をポンとたたかれた糸数の顔に、パッと明るい笑みが花開いた。
「何イニング投げるかわからなかったけど、ゼロを重ねていこうと思っていました。うれしいです」
右横手からの直球のＭＡＸは１３７キロ。だから千葉の風を利用した。ＱＶＣマリンを吹き抜けた９メートル前後の海風に１００キロ台のカーブを乗せ、微妙な変化を加えた。緩急をつけた配球でロッテ打線を４安打無失点。気がつけば、プロ初の完封勝利を成し遂げた。
「緩い球を決め球にするのは怖いけど風で曲がった。カーブを意識させることで直球でファウルをとれました」
佑ちゃんには負けられない。ダルビッシュ、武田勝、ケッペル、ウルフと続く先発陣の中でＤ１位・斎藤、八木、吉川と先発５、６番手の枠を争っている。一度の先発での内容が１軍生き残りに直結するシビアな闘い。この日の完封は絶好のアピールとなった。梨田監督も「これから若い投手で完投できる人がでてくると助かる」と賛辞を贈った。
スタンドでは夫人・明希乃さん（２６）、長女・華衣愛ちゃん（２）、次女・莉衣愛ちゃん（１０カ月）が観戦。糸数は、試合後に合流した３人にウイニングボールを手渡した。「家族が見にくるたびに大量失点でしたから」。父の威厳を示せた２６歳が、チームのＶ争いに貢献する。